最良のPCB設計ソフトウェアの考慮すべき機能とは
家の購入を決意する前には、おそらくたくさんの質問をするかと思います。自分にとって大事な施設やサービスが近所にありますか? 近隣の環境に問題がなく、安全ですか? 家の間取りが自分のニーズに合っていますか? これらはいずれも、そこに住むと決める前に解決する必要がある重要な質問です。
同様に、PCB設計ソフトウェアの購入も同じレベルの詳細な検討が必要です。そのソフトウェアが自分に必要な処理を行ってくれるかどうか、どのようなサポートが受けられるかなどを確認する必要があります。また、会社の将来や、それらのツールが設計ニーズの変化にともなって設計者とともに成長できるかどうかなども考慮する必要があります。
新しい家の購入と全く同じように、新しいソフトウェアへの移行は大変な作業になる可能性があります。設計者を手助けするため、Altiumは、PCB設計ソフトウェアについて質問する時に設計者がガイドとして使用できるトピックリストをまとめました。
PCB設計ソフトウェアが必要な処理を行ってくれるか
最初に確認すべきことは、検討しているPCB設計ソフトウェアが、自分に必要な処理を行ってくれるかどうかです。この質問に答えるためには、どのような設計技術のためにそのソフトウェアを使用するかを明らかにする必要があります。設計するのは片面、両面、または多層基板ですか? それらの設計の用途は、電源、アナログ、デジアナ混在信号、高速、あるいはRFですか? 大規模で複雑な高速多層設計であれば、小規模で単純な両面のアナログ設計の場合よりも堅牢な設計ツールセットが必要になるでしょう。どのようなタイプの設計作業を行うかを把握することは、どの設計ソフトウェアが最善の選択になるかを見極めるための基盤になります。
そのソフトウェアを必要とする設計作業を特定できたら、次に、設計プロセス全体の観点からそのソフトウェアを評価する必要があります。例えば、回路設計アプリケーションが必要ですか、もし必要なら新しいソフトウェアにその機能がありますか? シミュレーションツールが用意されていますか、あるいは外部シミュレーターと連動する機能がありますか? そのソフトウェアのツールにはどのようなタイプの部品ライブラリシステムが必要ですか、またそのライブラリを管理するための作業はどれくらいありますか? このような詳細な事項を考慮しないと、仕事を完了するために、この先さらにCADソフトウェアを購入するという厄介な状況に陥る可能性があります。
新しいPCB設計ソフトウェアで、必要な基板レイアウトを行うことができますか?
ツールが期待通りの動作をするか
PCB設計ソフトウェアが自分のニーズに合っているかどうかの問題が解決したら、次に、それらのツールが具体的にどのように機能するかを検討します。全てのPCBレイアウトツールは、コンポーネントを配置し、配線することができますが、ツールによってそれらの作業を行う方法が異なります。自動インタラクティブルーターを備えたツールもあれば、備えていないツールもあります。
そのほかに、そのPCB設計ソフトウェアで別のツールがどのように連動するかを考慮する必要があります。回路図ツールとレイアウトツールでは、外観や動作が異なることは珍しくありません。これは、別のツールを使用するたびにそれを「習得しなおす」時間と労力を要する上に、ツール間のインターフェース問題を引き起こす可能性があります。それに対し、統一された設計環境では、アプリケーション間の共通性が確実です。異なるリソースからのつぎはぎではなく、連携して動作するよう設計されているので、ツールの外観と動作は同じです。このため、設計プロセス中、2つのツール間を移動する時間と手間が節約されます。
これらの細かい考慮事項は、ちょっとしたことかもしれませんが、設計の生産性に大きく影響する可能性があります。導入しようとするソフトウェアがどんなものか、どのように動作するかを確実に理解してください。
設計者と共に成長するPCB設計ソフトウェアですか?
設計ニーズの変化にともなってユーザーと共に成長できるツールか
この最後のトピックは、それほど考慮されることはありませんが非常に重要です。時間の経過とともに、設計ニーズも変化します。設計者側の設計技術のレベルは向上または変化するものです。このため、ユーザーのニーズと共に成長する用意が、CADツール側にあることは非常に重要です。誰も未来を見通すことはできませんので、最善策は、そのソフトウェア会社の企業像を調べてみることです。
健全な企業文化を持ち、成長を続けている好調な企業ですか? 将来に対するビジョンを持っていますか? 新しい設計技術やソフトウェア強化を定期的に発表していますか? これらの基準を満たしていれば、今後何年もの間、信頼できる技術パートナーとなってくれることでしょう。
家の購入と同じように、PCB設計ソフトウェアの購入も、契約に先立って詳細に検討する必要があります。採用を決定する前に吟味すべき項目として、ソフトウェアの機能、サポート、将来的な成長性について論じてきました。これらの3つの要素について確実に納得することが、次のPCB設計ソフトウェアについて可能な最善の決断を下すのに有効です。
Altium Designer、AltiumのCircuitStudioなどのPCB設計ソフトウェアは、設計者が現在行っている設計に役立つよう強化された機能とサポートサービスを備えています。アルティウムの将来に対するビジョンが、成長を続ける御社の設計ニーズをどのようにサポートできるかについて、関心をお持ちですか? アルティウムの専門家にご相談ください。