設計の複雑さが増すにつれて最高のプロフェッショナル向けPCB設計ソフトウェアが要求される理由
子供のころの生活は単純だったなと思い返すことがありますか? 仕事もなく、ローンもなく、自分の子供と口論することもありませんでした。私の主な役割は表で駆け回り、遊んでいる間に泥だらけにならないようにすることでした。今の生活は確かにあの頃より良いものですが、同時にはるかに複雑になりました。それと同様に、PCB業界も成長し、より複雑なものとなりました大きくて単純な基板はもうありません。今では全ての回路が小さく、洗練されており、ときにはフレキシブルである必要があります。このような業界の動向から、設計者はレイアウトや回路図の作業だけでなく、何でも行える技術者であることが要求されています。このため、リジッドフレキシブル設計、ECAD/MCADコラボレーション、関係者との協力、電源供給ネットワーク解析(PDNA)などを行うため、最高のソフトウェアを常に利用可能にしておくことが重要です。
リジッドフレキシブル設計
子供の頃の私はずっと体が柔らかかったのですが、今では爪先に触れるのもやっとです。一方でPCBはその逆に、業界の成熟につれ、より柔軟になりつつあるようです。
多くの種類の製品でフレキシブル設計が推進されていますが、中でも主な分野はモノのインターネット(IoT)とウェアラブルです。これらの種類のデバイスは変わった外形をしていることが多く、しかも容積の制約が厳しいのが普通です。このような用途には、フレキシブル、またはリジッドフレキシブルの基板が最適です。
しかし、フレキシブル基板の設計は、口で言うほど簡単ではありません。材質、配線、フレキシブルとリジッドフレキシブルのどちらを使用するか、取り付け方法など、膨大な数の要素を考慮する必要があります。適切な基板を設計するには、これら全ての要素の設計に役立つソフトウェアが必要です。優れた設計ソフトウェアには、材質や設計技法についての詳細なドキュメントが付属しています。また、レイヤースタックを把握し、基板の3Dクリアランスを確認するために役立つ機能も搭載されています。誰でも、仕事を完了するためには役に立つツールを必要とします。このようなツールを使用することで、リジッドフレキシブル設計も子供の石蹴りのようにスムーズに運ぶようになります。
フレキシブル基板の設計は困難な作業です。
ECAD/MCADのコラボレーション
子供たちは、一緒に何かを行うことに困難を覚えることがあります。小さなJimmyはレゴでお城を建てようとしていますが、Sandraは宇宙船の方がいいと思っています。最後にはどちらも泣きだしてしまい、遊びは台無しになります。技術者も同様に、コラボレーションに問題を抱えることがあります。自分の分野に固執し、他の分野は誰かに任せようとします。しかし、複雑さが増すにつれ、作業をより迅速かつ簡単に完了するには、コラボレーションも拡大させていく必要があります。
基板をどのような筺体に収納するかということは見落とされがちです。これによって、膨大な量の技術変更要求が発生し、多くの差し戻し作業が発生する可能性があります。機械エンジニアの3D筺体モデルをインポートし、PCBの3Dモデルをレンダリングして、クリアランスをチェックしてくれるソフトウェアが存在します。これによって設計プロセスが非常に円滑に行えるようになり、どの部品をどこに配置するべきかを考慮する頭痛の種が減少します。
業界は、3Dプリント基板と付加製造への移行を試みています。これらの技法がより一般的になるにつれ、その3D設計が実際に正しく動作することを保証するため、機械エンジニアとのより密接な共同作業が必要になるでしょう。先を見越して、今からコラボレーションを始めるべきです。
関係者間の協力
機械エンジニアと電気エンジニアがともに自分の仕事に固執しがちであるのと同様に、外部の関係者に対しても一定の距離を置く傾向があります。設計エンジニアなので、製造業者やサプライヤーのことを気にする必要はないというわけです。
肝心なのは、設計プロセスにこれらの関係者をより関与させるほど、物事は簡単に運ぶということです。偽の部品が搭載された基板を受け取ったことがあるでしょうか? このような状況はサプライヤーと密接な関係を築いていれば回避できるものです。ただし、全ての調査を自分で行う必要はありません。部品が在庫切れになった、または製造終了になったとき、サプライヤーに問い合わせて、まったく新しいリストを作成してもらうのは望ましくありません。このために、どの部品が利用可能であるかを常時把握しており、必要な場合に代替品を提案してくれるようなソフトウェアを使用することが望まれます。
これは、将来に向けての良い訓練ともなるでしょう。より多くの成長企業が、自社の設計および製造プロセスの垂直統合を行いつつあります。Teslaのバッテリーと太陽光テクノロジーの開発について考えてみましょう。垂直統合により諸経費が減少し、企業は変化し続ける業界に対してたやすく適応可能になり、ひいてはより優れたPCBを製造可能になります。
Teslaのようになるためには、自社の製造業者と効果的に連絡を取り合う必要があります。密接な関係を保つことで、製造時の障害を減らし、時間とコストを削減できます。しかし、製造業者とどのように連絡を取り合えばいいのでしょうか? おそらく時間帯が異なるので、質問があるたびに呼び出すのは好ましくありません。この理由から、基板の仕様を明確に伝達でき、使用するコンポーネントについて常時製造業者に通知できる、優れたソフトウェアが重要となります。これによって、製造業者を毎晩呼び出さなくても、設計の最新の状況を伝達できるようになります。
適切なPDNAツールが無いと、基板がこのようになってしまうかもしれません。
PDNA
おそらくあなたは子供の頃、電源供給ネットワークを解析する方法を将来知る必要があるとは想像しなかったでしょう。現在になって、複雑な基板が最初から正しく動作し、爆発しないことを保証するため、PDNAが不可欠であることが判明しました。
PDNAは電圧降下や過熱を避けるために役立ち、非常に重要です。この手法により、電圧降下を低減し、あらゆる状況で回路を動作させるため、どこの導体を広げる必要があるかを知ることができます。電流密度の解析によって、ホットスポットとなり得る場所を知ることができます。その後で、ヒートシンクを追加せずに温度を下げるため、配置を変更できます。
唯一の問題は、手作業でPDNAを行うことは不可能に近いということです。別のソフトウェアを使用する方が簡単ですが、そのソフトウェアに習熟する必要があります。信号解析についてさらに勉強することも必要になる可能性があります。完全なPCB設計ソフトウェアは、現在使用しているものにPDNAが統合されるようなものでしょう。
成長に困難はつきものですが、このような種類のPCBの設計はさらに困難です。リジッドフレキシブル、3Dモデリング、HDI、PDNAを扱うには、可能な限りあらゆる助力が必要となることは間違いありません。幸い、これら全てを含むソリューションが存在します。Altium Designerには、まさにこのような種類の問題の解決に役立つ、広範な機能が搭載されています。それだけでなく、Altiumは将来発生するであろう問題や技術に対応するために役立つ新しいツールの開発に常時取り組んでいます。最先端のPCBを設計するには、ソフトウェアも最先端のものを使用するべきでしょう。
複雑なPCB設計についてのご質問は、Altiumのエキスパートまでお問い合わせください。