Altium Designerによる回路基板部品の管理

Zachariah Peterson
|  投稿日 March 22, 2021
Altium Designerによる回路基板部品の管理

多数のコンポーネント製造業者と、各社が製造するさらに多くのコンポーネントがあることを考えれば、全ての回路基板の部品についてあらゆる情報管理を人間が行うのは不可能です。PCBのコンポーネントには、単に電気的仕様だけでなくより多くの情報が含まれます。ピンのレイアウト、回路図シンボル、SPICEモデル、3Dモデルなどの情報もこれに含まれます。適切なPCB設計ソフトウェア パッケージは、これらの情報を全て活用して、作成可能な最高レベルのPCBを構築できます。

Altium Designer

優れたコンポーネント管理ツールを備えたPCB設計ソフトウェア パッケージ

プリント回路、集積回路のいずれの設計の場合も、設計であれば、銅箔の計画、コンポーネントの配置、利用可能な基板スペースの管理は必須です。プリント回路上で、コンポーネントと銅箔が常に競り合うような状況を避けるためには、どうしたらよいのでしょうか。

電子コンポーネントは、PCBを動作させるための重要な「臓器」のようなものです。1つ取り除くだけで、エコシステム全体が機能不全に陥るリスクがあります。PCB上のコンポーネントはいくつかの情報とともにコード化され、これらの情報は全てコンポーネント ライブラリに保存されます。コンポーネント ライブラリは回路図/レイアウト ツールと同期する必要があります。部品表ツールも、コンポーネント ライブラリとインターフェースで接続する必要があり、これによって製造にスムーズに移行できます。

PCB設計ソフトウェアによるコンポーネントの管理

PCBライブラリは、PCBのコンポーネントの基本情報を全て保存し、設計ソフトウェアの適切な機能にとって重要な部分です。レイアウト/回路図ツールは、コンポーネントのフットプリントやシンボルにアクセスする必要があり、これによって設計の構築が可能になります。検証/ルールチェック機能は、デバイスが設計どおりに動作することを検証するために、コンポーネント ライブラリから仕様やモデルを抽出します。

銅箔の配置だけでなく、コンポーネントの製造業者は、定期的に新製品の追加や既存モデルの仕様のアップデートを行っています。コンポーネント ライブラリは、このような情報にアクセスする必要があり、これによって製造されるPCBがコンピューター画面上の設計と確実に合致するようになります。また、これによって、PCBにとって最新かつ最善のコンポーネントの選択肢を常に把握できるようになります。

設計から製造までを通じたコンポーネント管理

適切なコンポーネント管理方法は、設計プロセスを合理化し、設計エラーを防ぎます。これによって、シミュレーション ツールもコンポーネント情報にすぐにアクセスできるようになるため、問題の診断や設計の検証が行えます。製造への移行時には、PCB設計ソフトウェアは、コンポーネント ライブラリからの情報とレイアウトを使用し、製造業者のために部品表とガーバーファイルを生成します。

 Altium Designerにおける部品表の生成

Altium Designerにおける部品表の生成

カスタム コンポーネントの作成

PCBのコンポーネントの体系化については、関連するレイヤーを考慮する必要があります。プリント回路に銅箔を施す方法、現在のコンポーネントの配置で半田付けを適切なソルダーマスクと半田ペーストで行えるか、大きい表面実装コンポーネントがあるか、穴を必要とするか、ワイヤの進入位置、プリント回路にパッドを配置可能か、大きいトランジスタがあるかなどです。

コンポーネント管理方法では、基本的な内蔵コンポーネント以外のことも考慮する必要があります。カスタムまたは独自のコンポーネントを使用すると、PCBの設計にいくらか柔軟性が得られます。一般的なコンポーネント、カスタム コンポーネントのいずれを使用する場合も、設計者の管理方法を対応するコンポーネント ライブラリ システムが、どのようなアプリケーションにも最善のPCBを設計できる機能を提供します。

基本/カスタム コンポーネントの管理

カスタム コンポーネントの作成開始を決定したら、体系化の目標を対応するライブラリ管理方法を実行する必要があります。プリント回路のコンポーネントの追跡、穴の管理、レイヤースタックアップは、適切なソフトウェアがなければ難しい場合があります。大企業の環境で作業する場合も、フリーランスの設計者にとっても、PCB設計ソフトウェアは、ワークフローを自由に対応できるようにする必要があります。

 Altium Designerのコンポーネントピン エディターのスクリーンショット

Altium Designerにおけるピンの割り当ての編集

Altium Designerによるコンポーネント情報の同期

PCBレイアウトのコンポーネントと回路図のコンポーネントは、コンポーネント ライブラリの情報を通じて密接にリンクしています。設計の一部に変更を行うと、設計の残りの部分と同期する必要があります。レイアウトと回路図が切り離されたばらばらな設計ソフトウェアで作業すると、コンポーネントの変更を同期する際に問題が生じることがあります。あるモジュールから設計をエクスポートし、別のモジュールにインポートする必要がある場合は、時間も浪費します。

重要なモジュールが分離しているPCB設計ソフトウェアではなく、統合設計ソフトウェアの使用をご検討ください。Altium Designerは、統合環境で動作する、他に例のないPCB設計ソフトウェア プラットフォームです。これにより、設計の一部に変更を加えても、ボタンをクリックするだけでその他の部分とシームレスに同期することができます。また、Altium Designerは部品表の生成に必要なツールも提供し、このような重要な機能が設計環境全体に統合されています。

Altium Designerの優れたコンポーネント管理機能

統合設計環境での作業は、生産性を高め、エラーの発生を低減し、設計から製造への移行を合理化します。Altium Designerでは、充実したコンポーネント ライブラリへのアクセスが提供されるため、設計者が思い描くあらゆるデバイスの作成が実現します。製造に移行したら、コンポーネント供給業者の情報にアクセスでき、これらの情報は部品表に組み入れることもできます。

ばらばらなPCB設計ソフトウェアでの作業がコンポーネント管理方法の妨げになっている場合は、統合設計環境での作業を試す価値があります。Altium Designerは、レイアウトとコンポーネント管理ツールを1つのインタフェースに統合しています。PCB設計、シミュレーション、製造業者の成果物ツールがコンポーネント ライブラリと同期するため安心でき、設計にとってベストなコンポーネント管理方法を実行するための柔軟性が得られます。

コンポーネント供給業者の情報を求めてインターネットをくまなく検索したり、役に立たないコンポーネント ライブラリや質の悪い銅箔の流し込みに悩まされたりしている場合、Altium Designerのような優れたPCB設計ソフトウェア パッケージが解決策を提供します。優れた設計、コンポーネント管理、ルールチェック、シミュレーションなどのツールの全てに1つの設計環境でアクセスできるようになります。

筆者について

筆者について

Zachariah Petersonは、学界と産業界に広範な技術的経歴を持っています。PCB業界で働く前は、ポートランド州立大学で教鞭をとっていました。化学吸着ガスセンサーの研究で物理学修士号、ランダムレーザー理論と安定性に関する研究で応用物理学博士号を取得しました。科学研究の経歴は、ナノ粒子レーザー、電子および光電子半導体デバイス、環境システム、財務分析など多岐に渡っています。彼の研究成果は、いくつかの論文審査のある専門誌や会議議事録に掲載されています。また、さまざまな企業を対象に、PCB設計に関する技術系ブログ記事を何百も書いています。Zachariahは、PCB業界の他の企業と協力し、設計、および研究サービスを提供しています。IEEE Photonics Society、およびアメリカ物理学会の会員でもあります。

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